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メルカードに行こう! 減少の一途をたどるマドリードの個人商店 [マドリードの店]







今回は46あるマドリードのメルカードをご紹介



Reikoさま

日本のゴールデンウィークと同じ時期の5月1日、2日の連休も終わり、
今がマドリードの一番良い季節だなぁと思います。
今回はReikoさんに私の店舗もあるマドリードの公営市場の一つをご紹介しますね。



メルカードで営業する個人商店。どれも新鮮そう

マドリードには
MERCADO(メルカード)と呼ばれる公営市場が46箇所あります。
中には肉、魚、野菜などの生鮮食品の他、ハムやチーズ、オリーブなどの漬物類、
パンやお菓子に雑貨、そしてスペイン人には欠かせないバルまで、日常に必要なものは
なんでも揃っています。スーパーと違うのは各店舗がそれぞれに独立していることでしょうか。

そして46のメルカードにはそれぞれその顔があります。
それは同じ生鮮食品の店舗であっても、メルカード周辺の住民に合わせた価格や品揃え
になっているからです。なかには、移民を意識したアジアや南米の食材を扱う店が多い市場も。
私もニラや冬瓜、里芋なんかが欲しくなると、ここに出かけます。

また観光地の近くのメルカードには、フードコートのように改装された場所もあります。
もちろん食材も売ってはいますが、ほとんどは一杯飲んだり、つまんだりと観光客を意識したメルカード。
ここも中々楽しいですよ。ただし価格は観光向けなので、日常的には通えませんが。



Miyaさんのお店があるメルカード


さて、私の店のある市場は46の中でも高級グルメ市場として有名です。
魚屋さんには立派なトロも並び、日本人はもちろんのこと、「SASHIMI」「SUSHI」のために
買い求めるスペイン人客もたくさん! 週末はとても混みます。
また肉屋の中にもスペインのブランド肉、
ガリシア牛やイベリコ豚のチャンピオンを
競り落とすことでニュースになるような店もあります。



チーズがずらり!! 端から食べてみたい!

私が店を持った4年前には、今までの相場に比べて
20%から30%も高いここで
買物をすることができませんでした。それでもたまに買う食材の新鮮さや質の良さには驚きでした。
現在は、持ちつ持たれつ。お客さんを紹介しあったり、近所のよしみでおまけしてもらったり、
ほぼ日常の食材はこのメルカードですましています。



スーパーの手軽さに押され気味の個人商店。でもがんばってほしい!

ところで、この公営のメルカード、長引く不況やライフスタイルの変化で、どこも苦戦しています。
不況のためより安いものを求めて、また共働きのため長時間営業しているスーパーで、
日常的に買い物をする人が増えているのは当たり前ですよね。

それに
メルカードの場合はほとんどが対面販売。商品を選んで、物によっては切ってもらったり、
パックしてもらったりと時間がかかります。スーパーは、その点、パックになっているし、
日本のようにレジの効率は良くないけど、ずっと早く楽に買い物ができます。
そうそう言葉の問題もないですしね。



お惣菜もハイグレード。ちょっと高いけど、品質は格別!のメルカード

また、公営ゆえに営業時間や休みはカレンダー通りの昔のスペイン通り、
一部のメルカードを除いては2時から5時まではお昼休み、土曜日は午前中のみの営業で、日祭は休みです。
スーパーはもちろん昼休みはないし、少し前までは法律で日祭の営業は禁止されていたものの、
場所や販売品目により規制緩和されてきました。これからはますます緩和が進んで、
日曜日は買い出しがレジャーになるかもしれません。これって日本じゃ当たり前のことですよね。

そんなわけで中々大変な状況にあるメルカード。場所によっては稼働率が40%。
シャッターが閉まった店ばかりが目につくところもあります。そのために権利を半分売って大改装し、
生き残りを賭けるところもありますがすべてがうまくいくわけではないようです。
でも、この風情やスペインらしさ、街々によって違う顔…昔の日本の商店街のように生き残って欲しいものです。

Reikoさんも次にスペインにいらっしゃるときにはぜひメルカードものぞいてみて下さいね。
とってもお勧めですよ! お買い物をしなくても楽しめますし、
おみやげ屋さんでは見つけられない
本物のスペイン
が見つけられるかもしれません。



トーストセットもあれば、イカフライやクロケットなどおつまみもある!


そして、私のイチ推し!が市場の中のバル。働いている人に食事を提供するため、
昼休みも唯一営業しています。もちろん外からのお客さんも普通に昼ごはんを食べることができますよ。
食材はすべて市場の中の店舗で調達しているので、
旬の食材を使った日替わり定食は試す価値ありです。
スペインのおふくろの味を食べることができますから。
隣り合った魚屋のおじさんに「今日は魚のフライにしな。絶対うまいよ」といわれることもあります。
ただし、量が多いのがねえ・・・かなり胃拡張になった私でもデザートまで完食できたことがありません。
また、うちのメルカードでは土曜日(午前中のみ営業)にはいろいろな店舗が工夫を凝らして、
試飲や試食のサービスを行なっています。
もちろん私の店でも珍しい日本酒など試飲していただいています!! なんて宣伝しちゃいました。

日本はやっぱりスーパーやコンビニ天国なんでしょうか??
Reikoさんはやっぱり個人商店よりスーパー派??


Miya

お知らせ
スペインと日本のフードビジネスのサポートやマドリッドを中心としたスペインの日本食スペイン料理、スペインのレストランや展示会の取材等、食に関するお仕事のお手伝いをいたします。

お仕事の依頼はまでご連絡くださいませ。
latiendademiya★gmail.com
(★部分に@をお入れ下さい)







from madrid to tokyo









バリ島のパサール(市場)。野菜や果物、雑貨を売っている


Miyaさま

土地の市場を見に行くのは、旅のひとつの楽しみです。国内、国外、必ず探しちゃいます。
主婦は誰でもそうかも(私は主婦じゃないけど…)! 京都の錦市場、大阪の黒門市場、
北海道各地の市場、それから道の駅。
見つけると、糸で引っ張られるように、自然と足が向かってしまいます。

一度しか行ったことのないスペインは、仕事だったためメルカードには行けなかったのがとても残念。
マドリードだけでも46のメルカードがあるってどれくらいなのかな、と思い調べてみると、
マドリードの街は605平方kmで、東京23区は620平方km
だいたい同じ。とすると、1区に2つある感じ? 
そう思うと46のメルカード巡りは、1週間では無理かしら? 
でも、とても楽しそうだから、
メルカードガイド本を作りたいくらい。
そうしたら、少しはメルカードにお客さんが戻ってくる助けになるかしら?

私はパンやケーキ屋さんの取材が多いのだけど、フランスで修業してきた人などは、
対面販売にこだわることが多い。ひとりひとりと話をして、大事な商品を売りたいというのが
昔ながらのヨーロッパスタイルの商売方法ですよね。それがなくなってしまうなんて、とても残念。
でも、マドリードは今、そういう“近代化”のサイクルに来ているのかもね。
いつかきっと、古き良き時代の個人店というのが復活することになると思います。



バンコクのオートーコー市場。目の前で料理してくれる食事が最高

さて、先日旅行したバンコクとバリでも「市場めぐり」を楽しみました。
バンコクでは、衛生管理も行き届いた農協の市場「オートーコーマーケット」がよかった! 
生鮮食料品、乾物、惣菜、お菓子、生活雑貨、工芸品。もちろん、その場で調理してくれる
フードコートもありました。ちょっと値段が高いのか、タイの人は少なかったかな。



“乾物”のひとつが、干し魚。オートーコー市場にて


バリ島の田舎のパサール(インドネシア語では市場だけど、スペイン語だと「立ち寄る」って意味だとか?)は
果物、野菜、お菓子、工芸品はあっても、肉や魚、惣菜は売っていませんでした。
観光客とわかると、なんでも5倍、10倍の値段をふっかけてきます(笑)。 
お決まりの「えっ、そんなに高いの? やめとくわ」というと、あわてて追いかけてきて、2割引きに。
やがて、8割引きで落ち着くという顛末です。

人と人とのやりとりは、市場での買い物の楽しみのひとつです。
地元の人がスーパーに流れてしまう事情もわかるけど、そうなったら旅行者を誘うような
商品やサービスを考えてみてはどうでしょうね。Miyaさんのお店のこと、今度はもっと教えてください♪


Reiko

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