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スペインのパン事情! ガリシア地方のパンって?そして東京のパン [パン]

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渋谷のゴントラン・シェリエ。クロワッサンがおいしいですね
 

 
 
Miyaさま

8月中になんと初秋が訪れてしまった日本です。びっくり。ほんの1ヶ月前には、灼熱地獄だ
ったのに、今日はもう長袖です。夜も毛布をかけて寝ています。

食欲がもどってきてしまう、まずい!と思っていたところに、またまたフランスよりおいしいパ
ン屋が上陸してしまいました。私も含め、日本人のパン好きってもう立派なオタクなのです。
私も持っているパンコーディネーターの資格をとる人も多いし、そのイベントに行けば、
「あそこのパン、もう食べた?」話で延々と話ができる。パン界のカリスマなんてのもいるん
ですよ。

海外からやってきたパン屋さんはいくつもあり、すでに撤退したところもあります。ちょうど渋
谷に行ったので、ぶらぶらしながらパン屋ウォッチ。渋谷と言えば、フランスのVIRONがあり
ます。レトロ・ドールというおいしい粉を使ったバゲットがレストランでは食べ放題!ここはも
う上陸して長い…といっても、ヴィロンは基本的には製粉会社ですので、フランスにはパン
屋がありません。日本人がおいしい粉でおいしいパンを作っているのが、店が長続きする秘密かもしれません。
 
 
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ゴントラン・シェリエにはイートインもあるし、地下はおいしいパンと一緒に料理を食べられるビストロ。
 
 
そして、2年前くらいにできたのが「ゴントラン・シェリエ」。ここは在日フランス人が絶賛して
います。おしゃれな佇まいでしょ? そしてゴントランは結構なイケメンです。もちろん日本に
はいませんが。
 
 
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クローナッツに並ぶ、人気商品、「ドミニク・アンセル」のクイニーアマン 
 

表参道まで行くと、今年7月にできた「ドミニク・アンセル」があります。クローナッツが世界
的に有名になったNYの店です。さらにその先にある、Diorの大きなショップがあるビルの地
下に「マグノリアベーカリー」。ここはパン屋ではなく、甘いあまーいフロスティングののった
カップケーキの店です。土曜日だったからか、やっぱり行列ができていましたね。この同じビ
ルにはハワイのパンケーキ屋さんもあります。
 
 
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自由が丘にあるアパレルメーカーのライフルスタイルショップ内にある「RITUEL」
 
 
パリにある私も大好きなブーランジュリー「デュ・パン・エ・デジデ」のオーナーがプロデュー
スしたパン屋が自由が丘にできたというので、これは行ってみなければと足を伸ばしてみま
した。Miyaさん、ここで最近の海外からやってくるパン屋の特徴をお教えしましょう。
「Rituel(リチュエル)」と、渋谷の「ゴントラン」は、アパレルメーーが手がけているのです。数
年前にできたパリ発の「ローズベーカリー」も同じくアパレルメーカーが一枚噛んでいます。
洋服だけではなく、雑貨や花、キッチンツールや、パンや料理も一緒に扱うことで“素敵ライフスタイル”を提案するわけです。
 
 
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フランスのAOCバターと北海道産有機小麦を使ったパン。わかるよ、わかるんだけど、その値段?
 
 
でも、やっぱりこうしたパン屋さんは日本のクリエイティブなパン屋さんに比べると、底が浅
い感じです。で、値段も高い! リチュエルなんて1個700円近いデニッシュ(もちろん、材料
にこだわっているのでしかたないのでしょうが…)ばかり並んでいて、誰が買うんだろうと腕
組みをしている隣で、自由が丘マダムがガンガン買っていました。(笑)

日本では年配層も朝食をパンに切り替える人が多く、パン人気は衰えません。ではスペイ
ンはどうでしょう? これまでボカディージョやコカなどのパンをMiyaさんに教えてもらいまし
たが、ふだんはどんなパンを食べていますか? 朝食のパン、昼食のパン、夕食のパンはな
んとなく決まっていますか? そもそもパン屋さんにはどんなパンが並んでいるのかも想像
できません。ぜひぜひ、教えてください!
 
Reiko
 
 
 
 
from madrid to tokyo
 
 
 

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スペインのパン。こんなにあった!! ドーナツ型が多いのも特徴です



REIKOさま

TOKYOも夏は終わりですね。
こちらも夏は終了!です。
なにせ日中暑くても朝夕は涼しさを感じて、私もタオルケットかぶって寝るようになりました。
Reikoさんと同じです。

今回のお題は パン! 以前にも同じような時期にパンを使ったボカディージョ紹介しました
ね。東京はやはりコスモポリタン、美味しそうなパン事情にグッときました。では、マドリード
では…。

スペイン語でもパンはPANと書くのですが、スペインでは主食と言えるでしょう。
昔、日本レストランで働いている時によくスペイン人のお客さんに聞かれたものです。
「パンを持ってきてくれない?」って。私の働いていた高級店では、日本の食文化を紹介す
るという方針もあったためにパンは置いていません。「こんな美味しいソースなのに」と照り
焼きだの田楽味噌だのを目の前にため息をつかれたのを思い出します。日本でいうところ
の白飯かもしれませんね。スペインのパンは。

そのスペインのパンですが、一体何種類くらいあるのか、見当がつきません。地方によって
特色もあるようですが、あれこれネットなどで見てみると100種類はゆうに超えているようで
すね。ただし、これには菓子パン的なものは入りません。
 
 
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こちらが「ピストラ」。スペインで日常的に食べられているパンです
 
 

その中で、私が一番に思い出すスペインのパンは「ピストラPISTRA」です。スペインには他
にも「バラBARRA」や「バケッテBAGGETE」と言われる棒状のパンがあるのですが、これら
よりずんぐりして、たぶん一般的なスペインのパンの中で一番安価です。なぜならピストラ
は、お腹を満たすためのパン、たとえばお米だと標準価格米のようなものなのです。またピ
ストラというのはピストルという物騒な名前なのですが、それは形から来る以外に「飢えを殺
す」という意味もあるらしいのですが、真偽のほどは不明です。

このピストラ、 スペインの乾燥している気候を抜きにしても一番早く硬くなります。だから朝
買って昼に食べたら、もうパンとしてはいただけません…にんにくのスープやガスパチョ、パ
ンのプディングなんかにも使われますが、スペインでは毎日その日のパンを買うのが当たり
前なので余りは公園に行ってトリの餌にまく、何てことは少し前までよく見かける光景でした。
 
 
 
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パン・デ・アンダルシアの一種。炭火で焼いた肉と一緒に・・・食べたい!
 
 
それからスペインのパンの中には、表面はピカピカ光る硬そうなものがあります。切ってみ
ると真っ白で 目が詰んでいて、小麦の味がします。この「パン デ アンダルシアPAN DE 
ANDALUSIA 」は名前の通りアンダルシア地方や肉を豪快に炭火や窯で焼くのが有名な地
方の定番です。美味しい肉汁を吸ってくれるからでしょうか。棒状のパンもありますが、
丸やドーナツ型で切れ込みが入っているもの、ツノが立っているものもあります。
その他には「チャパタCHAPATA」という少々潰れたような平べったいパンがあります。チャ
パタというのは確かスリッパの意味ですが、なるほどスペインのだらっとしたスリッパに似て
います。このパンの外側には粉を振って焼いているのですが、中には大きな気泡がありパ
ン自体も白くはなく生成り色から薄いベージュ。
このパンはイタリアが起源という説もあるようですが、生ハムやチーズなどをのせて食べた
りしますが、噛みごたえもあってなかなか美味しいパンです。
 
 
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ガリシア地方のパンを売るパン屋さん。麦を脱穀する板には小石が打ち付けてあります
 
 
私もパンは大好きなのですが、よく買いに行くのは、ガリシア地方のパン屋です。
店の前にあるのは昔の脱穀用板。打ち付けてあるのは尖った小石です。昔は、これに小麦
の穂を脱穀するのに使っていたのです。この店は奥にある薪を使った窯で焼かれる素朴な
パンで全粒粉やトウモロコシの粉を混ぜて焼いたものもありますが、どれも荒い製粉をして
いて胚芽の残るパンばかりです。ここのパンはどれを食べても美味しくてついついパンだけ
食べ過ぎてしまいます。
 
 
 
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Miyaさんが「野外の市場にあると買ってしまう」ガリシアのパン
 
 
スペインでもガリシア地方のパンは人気で、時々街角で行われる小さな物産展では、必ず
と言っていいほど薪で焼いた大きな丸いガリシアのパンが売られています。これは量り売り
されていますので、半分とか1/4だけといって買うことができます。
 
 
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日本にもありそうなオシャレなチェーンパン屋も増殖中のスペイン 
 
 
ところで、ここ数年はマドリードのパン屋事情が変わってきたように思います。
やたらスペインにしてはオシャレっぽいチェーン店が増えました。いろいろなパンが揃ってい
て値段も安い。ほとんどがカフェを併設していてついつい立ち寄りたくなります。
またデパートの中のパン屋もそうなのですが、売れ筋のバラやバケットは冷凍を店先の電
気オーブンで焼いています。パンの焼ける香りに惹かれてついつい買ってしまうのですが、
その手のパンはほとんど冷めたら美味しくありません。味もなく冷めると歯ごたえもなく…
気がついたら買うこともなくなっていました。

さて、お気づきでしょうか?
今まで書いてきたのは全て日本でいうフランスパン的なものばかりで、食パンは入っていま
せん。確かにスペインでも食パンは売っています。サンドイッチもあります。でも、ほとんど
が大量生産、昭和の給食のパンより美味しくなく、いつまで置いておいてもカビも生えず硬く
もなりません。ということで、日本の喫茶店の厚切りトーストや紀伊国屋のイギリスパンが大
好きな私としては今のところスペインの食パンは、パンとしては認めておりません!笑
あぁ〜美味しいトースト、サンドイッチ、食べたいです。

Reikoさんのお手紙を読んで、スペインのパンについては身の回りのことを書いてみました
が、まだまだ未知の世界でしたね。これを機会にいろいろ調べてみようと思います。

Miya


Reiko


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秋はスペイン定番サンドイッチ、チョコの「ボカディージョ」でキマリ! [パン]



スペイン版キッシュ(?)「エンパナーダ」と「ボカディージョ」が
それぞれドリンク付きでセットで2.5ユーロ。安い!






Reikoさま

マドリードは朝晩涼しくなりました。日も短くなって、秋に突入したようです。
東京はまだ暑いと聞いていますが、REIKOさん、夏の疲れはでていませんか?
この頃、夏は億劫だった街歩きをよくします。通勤ルートを変えてみたり、散歩をしたり。これがなかなか楽しくて新しい店の発見などもあるのです。


そして、ここしばらく前から目につくのは、新しいお洒落なパン屋さん。スペインのパンといえば形はフランスパンのバラ(BARRA)やすぐに硬くなるピストラ(PISTORA)、どれも噛みごたえのある小麦の味がするパンです。スペインに来た当初は、厚切り食パンやイギリスパンのトーストが懐かしくて仕方ありませんでした。形は同じなんだから、せめて日本にあるようなバゲットが食べたいもんだ・・と思っていましたが、今はフランスのパン屋さんのチェーン店もできて、焼きたてのバゲットも買うことができます。


REIKOさんはパンにかけてはプロフェッショナルでしたよね。
東京ではどんなパンが流行っているんでしょう?それから懐かしい惣菜パン、コロッケパンやハムカツ、焼きそば・・・なんていうのはまだあるのでしょうか?





スペインの定番サンドと言ったらボカディージョ(BOCADILLO)、御存知ですか?
生ハム、チーズ、トルティーヤなんて昔からのどこの家にもあるものをパンに挟むだけ。バターを塗るわけでもなく、ただハムならハムだけチーズならチーズだけ挟んで食べるのが一般的です。



チーズ入り、ハム入り、チョリソ入り、サラミ入り…



これ、携帯食の定番でもあります。子供のお弁当も仕事場へのランチも行楽のお供にも。
ま、言ってみたら日本のおにぎりのようなものでしょうか。パンが大きいから大口開けて食べなくてはなりませんけど、見てるとスペイン人は両手でグッと潰して中身がこぼれないようにしています。お昼を簡単に経済的にすましたいときには、お腹にはたまりますし、飲み物付きで売っているパン屋さんもあるし、バルで「持ち帰り用に」と買っていく人もいます。






それからこれは「マドリッドだけだよ!」とアンダルシア出身の友達に言われたのは、
揚げたてのイカリングを挟んだボカディージョ。
専門の小さなバルがマイヨール広場の近くにあるのですが、今のように少々肌寒く感じる季節になると思い出したように食べたくなります。たしか大昔は小さなイワシのフライを挟んだのもあったはずなんですが、最近は見ませんね。なつかしいなぁ。


最後にデザート感覚のボカディージョを紹介しますね。超簡単!板チョコをはさむんです。これは定番中の定番のおやつだそうです。私もはじめは「変なの」と思っていたのですが、息子のおやつにとやってみるとなかなか。バケットを2つに切って板チョコをはさめばいいのですが、パンを少し暖めてチョコを挟むとより美味しいのです。チョコレート味ばっかり!と文句を言っていた私も最近は、美味しく感じるようにスペイン人化しちゃているようです。でも、ほんとに美味しいんですよ。お試しあれ。


Miya



from madrid to tokyo




撮影/石黒美穂子  パン好きのカメラマンさんが撮ってくれました!


Miyaさま


Miyaさん、こんにちは。ようやく秋らしくなってきて、夏の疲れはでないものの、今度は食欲増進が問題になりそう。かぼちゃ、栗、さつまいもを使ったお菓子やパンが私を誘惑するのです…。

パンのプロフェッショナル?? 「食べる」ことについては、かなりプロフェッショナルかも(笑) ボカディージョというのですね、あのサンドイッチ。スペインに行ったときに、いろいろなところで見かけました。スペインって、パンもお菓子もそんなにバリエーションがないんだなって、思いました。昔ながらの味がきっと今も愛されているんですね。日本はと言えば、世界一流行に敏感な国。流行を追ってばかりで節操ないのかもしれないけど、おかげで目新しい食べ物にいっぱい出会えるのが日本です。



横浜の「トーストネイバーフードベーカリー」は、食パン中心の
珍しいパン屋さん!


料理やお菓子の世界だけでなく、パン職人も外国で修業する時代です。本場パリでハード系のパンを学んできた人、ニューヨークのベーグル屋で働いていた人、ドイツはマイスター制度もあるので、このマイスターになるべく留学する人、ちょっとちがうけどナポリピッツァを本場で身につけてくる人…本場仕込みのものがどんどん増えてます。


 
これは洋と和のコラボ。米粉バゲットといちぢく&ブルーチーズサンド


でも、私が今注目しているのは、miyaさんが懐かしく思っているパンです! 以前は、ハード系に夢中でしたが、今はおいしい食パンなどが気になります。コッペパン屋を開店しようと、ひそかにたくらんでいます。先日、イベントでその夢の第一歩を踏み出しましたが、そのときに好評だったのがやっぱり「焼きそばパン」。ふわふわコッペパンにソースべったり。老若男女が懐かしく思う味ですね。あとはバター&シュガーとか、バター&ジャムとか、お客さんの好みを聞いて、その場で塗ってあげます。最近はベトナムサンド「バインミー」のパンをイメージして、米粉バゲットを研究中です。


それにしても、イカフライサンドはゴーカイですね。これもバターやマヨネーズを塗らないんですよね? ここに文化の違いが出ますよね。小麦の味とハムだけ。チーズだけ。いさぎよい! というか、それぞれの味をしっかり味わうというのがマジメでいいではないですか。スペインならではのパンというのもあるのかしら? 私はスペインというと「スペイン窯」を思いだすのだけど、石窯で焼いているパン屋さんはありますか? 日本では、今「石窯」がひとつのキーワード。「天然酵母」というキーワードの次はこれみたい。日本に帰国した際には、パン屋をのぞいてみてください。このキーワードがどこかで見つかるはずです。


パンのことになると、夢中になってしまう私です。まだまだスペインのパンのこと、聞きたいです。
今週末も目黒の「ル・カフェ・マミィ」さんと一緒に「コッペパンパーラー アムステルダム」(これが私のコッペパン屋の名前なのです)を出店予定です。みなさん、来てくださいね。10月21日11時~18時にICSカレッジオブアートにて、「気仙沼フェスタ」の一角です。

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